2022年5月22日 戸越八幡神社

戸越八幡神社のケンポナシと日本蜜蜂について

当社境内には樹齢三百年とも言われる『ケンポナシ』と言う、品川区の指定天然記念物であり日本樹木遺産認定樹木第一号でもある古木があります。
品川区設置の案内板にもあるように、近年都区内ではほとんど見られなくなった木でその存在は大変貴重です。
昨年五月に日本樹木遺産の第一号に認定していただき、今後も末永く木を守り続ける為に樹木医さんによる診断と治療を実施していただきました。
現在木の洞(うろ)には日本蜜蜂という稀少な在来種の蜂たちが暮らしております。
この蜂たちは、長年に渡り御本殿屋根裏に住んでいた一群であることが御社殿改修工事を手掛けて下さった魚津社寺工務店の監督さんのお話により分かりました。
屋根銅板葺替え工事の際に、大きな巣が見つかった際に駆除せずに何とか新しい住処を見つけて欲しいという監督さんを始め、工事に携わって下さった宮大工さんの想いがあり、
そばに日本蜜蜂たちの好むケンポナシという木があり、偶然その木に住まいになりそうな洞が存在したり、神さまのはからいとも言える様々な偶然が重なり蜂達は無事に引っ越しを果たすことが出来たようです。
また、改修工事前からケンポナシの治療・保護でお世話になっていた樹木医の後藤先生にお話しを伺うと、蜂たちが洞に巣を作ることで、蜂蜜の持つ抗菌作用などが腐朽菌から木を守ってくれるという側面もあるとのことでした。
そして、戸越の隣町中延で日本蜜蜂の養蜂をされている『日本蜜蜂保存会』の皆様ともご縁をいただき、
保存会の青木会長をはじめとする皆様の熱心なご指導とご協力のもとに保護活動を進めていたところ、先日ケンポナシの蜂達が無事に分蜂しそれぞれの新居で元氣に活動を始めております。
ケンポナシならびに二ホンミツバチの保護にご協力下さった皆様、保護活動の様子を見守って下さる氏子の皆様をはじめご参拝の皆様方に心より感謝申し上げます。

野生の蜂達をはじめ、花粉媒体生物による受粉によって私達人間の食は多大なる恩恵を受けて支えられています。自然の恵みとはたらきに生かされていることを忘れず、一人ひとりが感謝の心を育んでいくことが自然を守り、自然と調和・共存してゆける道を照らしてゆくのかもしれません。
是非、ケンポナシを始めとする樹々たちと二ホンミツバチたちのこれからをあたたかく見守っていただけますと幸いです。

 
〔左:ケンポナシ 右:本殿屋根裏の日本蜜蜂の巣〕


【注意】専門家のご意見や、ニホンミツバチの生態について詳しく紹介されているサイトなどによりますと、ニホンミツバチは攻撃性が低くほとんど人を襲うことはないとのことですが、絶対に刺さないという事ではありません。刺された場合の症状はアレルギーの有無により大きく異なり、稀にアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあるそうです。
また、黒や紺色のものを警戒したり、香水や化粧品中に含まれる物質がニホンミツバチを刺激してしまう恐れもあるようです。どうか不用意に蜂たちを刺激しない為に、巣から数メートル離れた場所からの観察にご協力下さいますようお願い申し上げます。


〈日本樹木遺産について〉
日本樹木遺産実行委員会HP

〈中延日本蜜蜂保存会〉
中延日本蜜蜂保存会公式HP